工作の2S(Seiri/Seiton)

工作やプログラムでやったことをまとめていきます

特性インピーダンスを超絶ざっくりわかっておいたった

ごあいさつ

特性インピーダンス50Ω!」とみんな言うが,
どこ測ったら50なん?
と思っていた.し,FAとかちょっと計測器触るくらいの人はわからないと思う
こんな拙文を読んでいるあなたもきっとそうなんでしょう
このたび,CANとかを本格的にやる予定になったので,そういう踏み込んだとこも知らないとまずいなあと思い,実験したのでここに記すことにします

LCRメータ

先に計測器をご紹介
akizukidenshi.com
大須で売ってたので勢いで購入したものです.ハンディでちょっと測るのに最高のアイテムです
これは買ってよかったので,みなさんもぜひ買ってみてください

知人がウン十万の計測器と比較して遜色なかったとのこと


電線のモデル

まずは電線に分布しているコンデンサとインダクタ(+抵抗)が見えるようにならねばなりません

同軸ケーブルがあるとします

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②次のようなモデルであらわされます

f:id:kt-marshal:20190207001513p:plain

③重ねるとわかりやすいと思います<業界初!?>

f:id:kt-marshal:20190207001531p:plain
こんな感じで,抵抗,インダクタ,コンデンサのセットが数珠つなぎになっているというわけです

④極限まで短くしてみる

f:id:kt-marshal:20190207002018p:plain
こんな感じで,最小の単位になりました
実際,こんな短い電線は作れませんが,理屈を知る上ではこの概念が必要です

特性インピーダンスの公式

公式は,参考リンクをよく読んでください
簡単なので公式だけ覚えておくだけでも知ったかぶりできると思います
 \sqrt{\frac{L}{C}} Ω

あら簡単,LをCで割って平方根をとるだけ・・・
こうなるための道程もチェックしてください

LとCを測る方法

LCRメータを用いて,下記の構成でコンデンサとインダクタをそれぞれ計測します

コンデンサ成分を測る

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インダクタ成分を測る

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こんな感じで,先端を開放or短絡にすることで,回路を切換えて各成分を計測します

実際に測ってみた

たまたま家に転がっていた,謎の同軸ケーブルを測ります
 ・同軸ケーブルを長め(1m)と短め(20cm)にカットする
 ・両端の被覆を剥き,芯線と編込み導体を露出させる

  ↓写真ではわかりにくいですがやってます
 ・インダクタ計測では,先端をよじることで導通させる
 ・コンデンサ計測では,できるだけ線同士を離すよう努力する

短め

 C:86.2pF
 L:0.067uH

f:id:kt-marshal:20190207003405j:plain
f:id:kt-marshal:20190207003423j:plain
\sqrt{\frac{0.067u}{86.2p}} = 27.9

長め

 C:415.9pF
 L:0.367uH

f:id:kt-marshal:20190207003445j:plain
f:id:kt-marshal:20190207003458j:plain
\sqrt{\frac{0.367u}{415.9p}} = 29.7

だいたい30Ωという結果になりました
線長が短い20cmのほうは,L値が計測器にとって小さいため0.001u代でばらつきました
特性インピーダンス27Ωとなってますが,この表示ばらつきの最大値「0.071uH」だと,見事に29になります
・・・画像の瞬間が0.067uHだった

というわけで

特性インピーダンスとは,電線に分布するコンデンサとインダクタの比みたいなもんだということがわかりました(ザックリ!!!)
コンデンサ値もインダクタ値も,長くなるとともに値が大きくなるので,どんな長さで切ろうとも同じ”特性”を表すというわけです
これによって,流れる電流の向きが変わることなく,跳ね返ることもなく伝送できるというようです

特性インピーダンスがわかったので大変よかった

参考にさせていただいた記事

私が参考にした記事を転載いたします.ありがとうございます.

JI0VWLさま 実際の実験結果があります

同軸ケーブル(特性インピーダンスを測ろう)

川田章弘さま 計算式で理論の説明があります

イメージで特性インピーダンスを考える