コンデンサ溶接電源の自作 その4 ~そして蔵入りへ~
●結論
現行の設計では放電回路に問題があり、溶接できないことが判明しました。
とりあえず仕様
コンデンサ:0.04F
充電電圧:8V ~ 35V
出力エネルギー:1.2J ~ 24J
溶接時間:すべてを放電しきるまで
電圧をボリュームで設定する方式です
一応、壊れるまでの2回、サス棒の溶接に成功しました
結構頑丈で引っ張り強度はよく、ねじって取れるレベルでした
また、前回よりバージョンアップしています
秋月DCDCの出力を35V(+5V)に変更しコンデンサも2倍盛り
配線もモッコリーナ
●問題の予想
状態として、最大出力時にFETの片側が壊れます。データシートを見ると壊れて当然です。
FET2個では200Aも流せない
2SK3271は定格100Aなので、最高パフォーマンスでも2個200A。
35V放電直後のIDは350Aを越えようとし、2SK3271(2パラ)では消化できない。後半はVgs4V代だったので駆動率が悪くなおさら。
おまけに給料も安いのでラインマンが過労死するイメージです
※あくまでイメージで、チョコボール生産ラインがブラックかどうかは知りません
Vgs5VではIDが高く無視できないレベルのRonとなり半開きになるようです
また片側だけ壊れるというのは、Cissが9nFと高いのに対しRgs100Ωで駆動しているため、抵抗やらFETやらのばらつきによって感度の良いほうが先に焼けてショートするからもう片側は保護されるという感じなんだと思います。
溶接SWオン
↓
FET半開き
↓
FETでロスしながら放電
↓
かたっぽ壊れるドーン!
FETが短絡して溶接開始というスイッチ方式
2SK3271でやる場合、Vgsは9Vの4パラくらいにする必要がありそうです。
2SK3271を使ったのは家に転がっていたからです。
拾ったものを使うからです
保護回路がない
調べると、FETの出力段をコンデンサにクリップすることで発振(サージ?)を防止するような工夫があるようです。
Vgs低下時の故障を防ぐために電圧低下検出回路も必須でした。
●ということで次回は
・FETを増やす
・FETのVgsを上げる
・FETドライブ抵抗を小さくする
・2sqより太い線を使う
・OSコンも検討
今回でいろいろと だいぶ習得することがあり、次回は安心して使えるものが作れるような気がします。
商用電源を使用しない溶接機に次回もトライするつもりです。
●感想
楽しかったです